おうちライトとは

 「おうちライト」は、近所のパブリックなイベントに便乗した、プライベートでひそかな企みとして2007年にはじまりました。当時、本物のライトは「楽町楽屋」のイベントのひとつとして6月1日前後に行われており、パロディイベントとして企画したものの、「楽町楽屋」の企画展に選ばれた写真家から「本物よりいい」と褒められたり、「楽町楽屋」の事務局長から「こんなんやってほしかってん」て言われたりで、調子に乗って3年目からは、WEBページも本物のライトにリスペクトして制作しています。

 会場は、大正〜昭和に建てられた、3畳の土間つき板間と、押入の付いた6畳または4畳半の居間のふた間の3軒の家です。実は、裏の坪庭のあたりにももう1軒ありましたが、火事で焼け落ちたそうです。路地の北側、今では元散髪屋さん(路地の大家さん)の菜園となっているところにも、20年前は1軒の平屋が建っていて、当時も空き地であったガーデニングテーブルのあたりにはかつて共同井戸と共同便所があったと聞きました。路地の南側の家(路地の大家さん)の、裏庭にも1軒あったらしいですから、間口80cmの路地の奥に、共同井戸・共同便所を囲むように、6軒の平屋が建ち並び、賑やかな暮らしがあったのでしょう。

 「おうちライト」は、通(とおり)に面した大きな「町家」ではなく、裏借家のイベントです。織屋などの有徳人に対し、賃機(ちんばた)で生活を支えた名もなき職人たちの「路地」と「織子の暮らし」を想像いただければ幸いです。